便秘しにくい体・環境づくりに向けた食事、睡眠の重要ポイント

高齢者の慢性的な便秘は深刻で、薬を処方されている人も少なくない。日々、訪問看護で高齢者の介護に取り組み、特に人の尊厳にかかわる排泄ケアを重要視しているという東京都北区・あすか山訪問看護ステーション所長の田中道子さんは、こう語る。

「便が腸内に停滞すると、不快感、食欲不振などはもちろん、便が毒素を発し、健康に大きな害も及ぼします。ひどい痛みを伴う腸閉塞や大腸がんなどのリスクも高まります。そのため医療機関では、便を排泄することを第一に考え、薬が処方されるのです。

ただ、一時的に薬で便秘を解消しても、食事や睡眠、環境、介護態勢などの問題が改善・解決されていなければ、結局また便秘になり、次はさらに強い薬、多量の薬が処方されることになり、自力で排泄する機能がますます衰えてしまいます。まずは生活の中で、自ら改善・解決できることから始めましょう」
便秘しにくい体・環境づくりに向けた食事、睡眠の重要ポイント